blog: So it goes

古代エジプトの新年、ヒラエカルライジングの季節になりました!
日本でも見ることができますので、夜明けにオリオン座方面(東の空)をご覧下さい。
地平線すれすれにシリウスが光っているのが見えるでしょう。
セティ1世王墓の天井画(青いバック)
女性がシリウス、振り返っている男性がオリオン座
新王国時代の役人の木棺(茶色のバック)
鋭い三角形を頭に乗せている女性がシリウス、振り向いている男性がオリオン座
参考:
『ヒエログリフ文字手帳 自然風土のめぐみ編』
『神々と旅する来世 冥界へ 後編』

台湾でも販売開始!

台湾の楓書院さんから弊社の新刊『神々と旅する来世 冥界へ[前編]』『神々と旅する来世 冥界へ[後編]』が共に中国語に翻訳されて出版されました。

 

中国語の読める方はチャレンジしてみるのも一興かも?

以下のリンクで一部ご覧いただけます。

 

神々と旅する冥界 来世へ 〔前編〕

繁体版タイトル:埃及眾神的冥界巡禮【前篇】

 

https://www.books.com.tw/products/0010930121

 

神々と旅する冥界 来世へ 〔後編〕

繁体版タイトル:埃及眾神的冥界巡禮【篇】

https://www.books.com.tw/products/0010930173

エジプトへの入国緩和!

                                               2021/09/23

ワクチン接種証明と72時間前の陰性証明を持っていればエジプトへ行けるようになりました!

帰国後も公共交通機関を使わなければ自宅へ戻り、14日間の自主隔離の義務もありません。

いち早く解禁された渡航先にエジプトが入っているのは嬉しいですね!

 

一日も早い全面海外旅行の解禁が待ち遠しいですね!

 

祝!12月からエジプト航空直通便再開!

 エジプト航空(MS)が12月7日から成田/カイロ線を週2便に増便する事になりました!

現在はカイロ発土曜日、成田発日曜日で運航しているのですが、

カイロ発木曜日、成田発金曜日を増やす計画で、政府認可申請予定だそうです。

運航機材は現在と同じB777-300ER型機で、

ビジネスクラス49席、エコノミークラス296席の計345席となります。

運航スケジュールは以下の通り。

▽成田/カイロ線運航スケジュール(12月7日~)
MS965便 NRT 21時20分発/CAI 04時30分着※翌日(日)
MS965便 NRT 20時55分発/CAI 04時00分着※翌日(金)
MS964便 CAI 23時40分発/NRT 18時30分着※翌日(土)
MS964便 CAI 23時40分発/NRT 18時25分着※翌日(木)

より、行きやすくなりますね!

気候変動の関係か、近年カイロでも冬はかなり冷え、現地のエジプト人はスキーウェアのような上着を着ています。コプト教とイスラム教のクリスマス(イーサーの誕生祭)は、日本のクリスマスと趣が違ってまた楽しいです。是非、お訪ねください!

台湾でも売り上げ好調!

台湾の楓書院さんから弊社の新刊『ヒエログリフ文字手帳ー自然風土のめぐみ編』『ヒエログリフ文字手帳ー人びとの暮らし・生活編』が共に中国語に翻訳されて出版されました。

販売開始から約2週間でほぼ完売したようです。

嬉しいことです。

9月1日からイード・アル=アドハー(犠牲祭)スタート!

イスラム教にとって大きなお祭りであるイード・アル=アドハー(犠牲祭)がいよいよ始まります。

今年は9月1日から4日です。

初日はメッカ巡礼(ハッジ)の最終日でもあります。

日本では「犠牲祭」と意訳されることが多いです。

これは聖書にも載っているイブラヒーム(キリスト教のアブラハム)が神に自分の信仰心の証拠として自分の息子イスマイール(キリスト教のイシュマイル)を犠牲として捧げたことによります。

神はこの行いでイブラヒームの信仰心を讃え、息子を生き返らせた、としています。

イスラム教の人びとはこの期間、アッラー(神)への捧げ物としてヒツジ、ウシやヤギなどを屠り、貧しい人びとと分かち合います。

大まかにとらえると、キリスト教はユダヤ教を下敷きとし、イスラム教はキリスト教を下敷きにしています。

それぞれの登場人物は発音こそ少し違いますが、引き継がれています。

イエスはイーサーとしてムハンマドの前の預言者としてクルアルーンに登場します。

つまり大元にさかのぼればユダヤ教もキリスト教もイスラム教も同じ神を崇めているのです。

ただ、解釈が違うのです。

この解釈の違い、は、しかし、とてもやっかいな問題です。

同じキリスト教徒同士でも、カソリックかプロテスタントかで殺し合いの戦いが起こりますし、同じイスラム教でもシークとスンナも互いに敵対しています。

詳しくない人から見たら同じにしか見えないのに、同じなのに少し違う、その少しが許せない、ということは、なんて悲しいことなんでしょう。

みんなが少しずつ、自分との違いを認め、理解できないとしても容認できれば、きっとこの世界はもっと住みやすくなるのではないでしょうか。

東京はへんな天気ですね。

最近の東京の天気がおかしいですね。

ちょっと前まで猛暑もかく極まれり!という感じに昼夜問わず蒸し暑かったのが嘘のようです。

なんだか急に涼しくなると疲れがどっと出てきますね。

食事もなんだかあたたかいものを食べたくなる梅雨時のような感じです。

本当に8月中旬なんでしょうか…

エジプトも割合涼しいようです。

とはいえ、もともとエジプトは気温こそ高いですが、湿気が日本に比べて恐ろしく低いのでずっと過ごしやすいのですが(個人の感想ですが)。

どんなに暑い日でも分厚いガラスのグラスになみなみと注がれた熱々の紅茶をたっぷりの(グラスの底1cmぐらいたまるほど!)砂糖を入れて飲むのがエジプト流。最近はミントの生の葉をその上に一枝載せてシャーイ・ベナーナにして飲むのが流行っているようです。

熱い飲み物を飲むことで暑さを乗り切るのはかつての日本でもよく見られた習慣です。

暑い日に熱い緑茶を飲むと不思議と身体が楽になるものです。

特に最近は冷房が効きすぎて気づかぬうちに身体が冷えていることも多いように感じます。

是非、何回かに一回は冷たい飲み物のかわりに暖かいとってみてください。

エジプト文明博物館〜ソフト・オープンから半年

ムハンマド・アリ・モスクから約4.5km、オールドカイロ地区のコプト博物館から約4kmと、ちょうど中間地点に建設された「エジプト文明博物館」が、2月にソフト・オープンしていますね。

博物館が建てられたあたりはフスタートと呼ばれている地区で、アラブ人たちが一番最初に首都としてカイロを建設した歴史的な場所でもあります。

コンセプトは「エジプトの全ての時代における産業と工芸」の紹介です。石器時代からイスラーム時代を経て現在までを分野ごとに展示しています。

現在はソフト・オープンなので、5室あるうちのまだ1室しか公開されていませんが、そこだけでも陶器、織物、装身具、木工の4分野にわたって400点ほどの展示物を見ることが出来ます。

最終的にはカイロの考古学博物館のミイラ室が丸ごとこの博物館へ移動する予定だそうです。

展示スペースは日本人建築家の磯崎新氏が手がけています。

2万3千㎡におよぶ広大な敷地には、この文明博物館の他に国際会議場、映画館、レストラン、カルチャーセンターなども併設される予定です。

開館時間 /9:00〜17:00

入場料 /60ポンド

カメラ・チケット /50ポンド(ただしフラッシュ撮影は禁止)

 

もし本当にミイラ室のミイラたちが全部移動したら、カイロ考古博物館の目玉がまたなくなりそうですね。トゥトアンクアメン(ツタンカーメン)の遺物は大博物館に移動する予定ですしね。

まだ、まだ展示していないだけで沢山素晴らしい遺物がある、と、考古庁は言っているようですが。。。

ザヒ・ハワス博士来日決定!

アブ・シンベル神殿発掘200周年記念イベントとして、来る7月2日(日)に「エジプシャン・イン・ジャパン」が開催されることとなりました!

タンヌーラなどの伝統的なダンス・ショーやザヒ・ハワス博士の講演もあるようです。

なかなか中身の濃いイベントなので是非、ご参加ください!

無料ですが予約が必要なようです。

ホームページのほうもご覧ください!

恒例のラマダンが始まりました!

恒例のラマダンの時期がやってきました!

本日から開始です!

毎年少しずつずれていくのはいわゆる西暦(365日で1年、4年ごとに366日の閏年を挟む)とイスラーム暦(ヒジュラ暦;354日で1年、閏年なし)の年間日数の違いによります。

 

数年前は真夏にラマダンが当たって、昼間に冷たい飲み物が飲めずに脱水症状になりかかった友人もいました。

今年は真夏日もありますが、まだしのぎやすい時期なのでよかったです。

ご存じの通り、ラマダンは日の出から日の入りまでの間、食べ物も飲み物も口に出来ません。

厳格な人になると唾も飲み込まないようにするそうです。

これからも少しずつ涼しい時期へとずれていき、寒い時期へと入っていくのでしょうね。

エジプトでも冬は寒いですし(冬にはスキージャンパーを着ている人がいます!実際クリスマス時期は東京並みに寒かった!)、寒い時期は寒い時期でつらいのかもしれませんね。

33年で同じ時期にラマダンが回ってくるので、一生で同じ時期にラマダンを経験するのは2回なんて言い方もありますが、最近の長寿化から考えると3回いける人もいるかも知れませんね!

GEM最新情報

2020年に本格的に開館することになっているGEM(大エジプト博物館)に関する新しい情報が入りました!

残念ながら確定ではないのですが

開館時間は9:00〜17:00の予定で、入館料は大人15〜20US$となりそうです。

残念ながら夜間の開館はしない予定です。

気になるツタンカーメン(トゥトアンクアメン)の黄金のマスクや純金製の人型棺などの、カイロ博物館で現在、目玉とされている遺物の移動時期ですね。

ソフト・オープンは2017年の3月〜4月が一番有力ですが、その時までにはツタンカーメン(トゥトアンクアメン)の遺物のほとんどが移動を終えて展示される予定です。

ただ防犯の関係で正確な移動時期は公表されないようです。

ソフト・オープンの日付が正式に発表されたら、ツタンカーメン(トゥトアンクアメン)の遺物の見られない日があるかも知れない日を予測して避けないといけないですね。

 

Amazonに弊社のページが出来ました!

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是非、一度ご訪問ください!
https://www.amazon.co.jp/Yaroku-株式会社-弥呂久/pages/default?pageId=TOIUUZVYZRJW38
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アズハル公園へ行こう!

アズハルと言えばモスクですが、2005年に出来た公園をご存じでしょうか?

緑豊かな庭園というほうが正しいのかもしれませんね。

オールド・カイロ地区を見下ろす高台から望む夕景はまた格別です。

遠くにはムハンマド・アリ・モスクとそれを囲むシタデルを望むことも出来ます。

カイロの喧噪がまったく聞こえることのない、静かでのんびりとした時間を過ごすことが出来ます。

是非、一度おたずねください。

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ローマ法王、エジプトのカイロ訪問へ!

ローマ・カトリックの最高指導者でローマ法王フランシスコが、エジプトのカイロを4月28日から2日間訪問することを発表しました。

先日のコプト教会襲撃を受けての訪問かと思われます。

ところでアレクサンドリアにはコプト正教の法皇がいます。

コプト正教はエジプト独特のキリスト教で、紀元前42年頃成立したとされています。

第118代目法皇タワドロス2世で、2012年から現在まで務めています。

一説には「法王」または「法皇」という称号を初めて使ったのは第13代府主教であった法皇ヘラクラス(紀元後232年〜249年)であり、ローマの司教であった法王ヨハネス1世が「法王」という称号を使い出す3世紀も前のことだったそうです。

ちなみに「法皇」も「法王」も英語ではPopeです(慣例的に書き分けされてるようで、コプト教の法皇は「教皇」や「法王」と書く場合もあります)。

 

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カイロ博物館、夜間開館の継続決定!

11月27日のブログに書きましたが、カイロ博物館では夜間の見学が出来ます。

この度夜間開館が継続されることになりました。

毎週日曜と木曜のみ、17:30〜21:00(おそらく20:00がラスト・エンタリー)

チケットは入場料が昼間:大人75エジプト・ポンド

         夜間:大人120エジプト・ポンド

                  ミイラ室 昼間:大人100エジプト・ポンド

         夜間:大人150エジプト・ポンド

です。

約50エジプト・ポンドずつほど値上がりしますが、夜間の博物館はまた趣がちがうので、是非一度おたずねください。

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ソフト・オープン?いよいよ始動?ギザの大エジプト博物館(GEM)

先日、2018年3月頃にギザの大エジプト博物館(GEM;2016年10月のブログ参照)のソフト・オープンが決定したという発表がありました。

これにあたって、本格的に遺物の移動が行われるようになるようです。

 

ギザの大エジプト博物館は「古代エジプトの芸術」、カイロ考古学博物館は「王権と神々」というテーマにそれぞれ沿うように所蔵品を割り振っていく予定のようです。

と言っても、トゥトアンクアメンの遺物は基本的に全て大エジプト博物館(GEM)のほうに所蔵されることになっています。へテプへレス王妃の遺物も同じく移動になるようで、かなりきらびやかな所蔵品が大エジプト博物館のほうへ移ることになりそうです。

クフやメンカウラー、カフラーはカイロ博物館への居残り組です。

ミイラは文明博物館(2016年11月3日のブログ参照)に移動するようです。

 

すでに小さな所蔵品や地下の倉庫に納めてあった所蔵品を修復もかねて順に大エジプト博物館(GEM)へ移動していましたが、この度、トゥトアンクアメンの遺物の中でも大型で有名な戦車や儀式用ベッドも移動されました。

一番関心の集まる黄金マスクや棺、厨子の移動は本格的な開館の直前ではないかということです。

出来るだけ見られない時期が短くなることを祈っている今日この頃です。

 

楽しみですね!

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ゲームの世界もエジプト・ブーム!

古代エジプトの神々をモチーフとしたキャラクターが最近、カード・ゲームなどで見かけることが多くなりました。

なかでも猫の姿または猫の頭部に女性の身体という姿で表現される女神バステトや、山犬の姿または山犬の頭部で男性の身体という姿で表現される冥界の神アヌビスは大人気なようです。

残念ながらそれぞれの神々の性質をきちんと受け継いでいないことも多いですが、見かけるとついつい手に取ってしまうので、狙い通りなようで少し悔しいです(苦笑)。

ドラゴンボールZの映画に出てきたビルスや妖怪ウォッチのニャステトやズラビス、パズドラには枚挙に暇がないほど出てくるようです。深夜のアニメにもなり、ぬいぐるみなどのグッズも売られていますね。

弊社でも『古代エジプトの神々』は安定して売れ続けています。

古代エジプトの神々の姿の魅力もそうですが、ゲームなどのキャラクターの参考になれるのは、どこかロマンがあるからなのでしょう。

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古代でも現代でもエジプトの女性は強い!

古代エジプトの夫婦像を見たことがありますか?

壁画でも彫像でも、妻が夫の一歩後ろにいるのですが、日本の3歩下がって影踏まず、というのとは少々事情が違うようです。

というのも、彫像の時は後ろから夫の肩へ腕を回して、まるで支えているような姿勢で表現されています。

守護神や悪い物を追い払う神は、古代エジプトでは女神の方が多く、往々にして彼女たちの腕の下などに描かれる大きな翼は包容力と庇護を表現した物です。むしろ攻撃的な守護をする神はほとんど女神です。

つまり、一歩下がって夫を支えて守るのが妻の正しい姿だったのです。

現代のエジプト人の女性たちの多くが、夫を尻に敷き、息子を溺愛し、嫁いびりをします。そして嫁は決して負けずに戦います。スカーフを被ろうが規律で縛ろうが、実にたくましくかしましく元気です。

おしんブームが去った今でも、一見おとなしく小柄な日本人女性の人気が高い理由は案外こんなところにあるのかもしれませんね。

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ナツメヤシ!ナツメヤシ!ナツメヤシ!

エジプト人は古代も現代もナツメヤシが大好きです。

古代では、生で食べたり干して食べたりワインに加工したりパンに練り込んだり、と、様々な形で日常的に消費されているなじみ深い食べ物だったようです。

現代でもナツメヤシはいくつかの種類を育てていて、ワインには加工しませんが(ほぼムスリムの国ですから!)、生食も干したものも市場では山盛りになっています。

柿と同じく、生食用と干しナツメヤシ用のものがあり、干し用はやはり渋く、間違って食べると口がごわごわします(体験済み)。干したものは非常に甘くもっちりしていて干し柿のようです(個人的には無添加なのにもかかわらず少し甘すぎるぐらいです)。

お祝いの場では干したナツメヤシの種を抜き、代わりにアーモンドを入れたものがよく作られます。

干したナツメヤシの種を抜いたものにチョコレートをかけたお菓子も沢山、沢山、沢山作られ消費されています。

干したナツメヤシにアーモンドを入れてからチョコレートをかけたお菓子もあります。

ターキッシュ・ディライトというお菓子に近い感じです。

美味しいので是非、試してください!

私のようにあまり甘い物はちょっと、という人はブラック・コーヒーとどうぞ!

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硬貨がなくなるのは世界の傾向?

エジプトの1ポンド硬貨を見たことはありますか?

中心にトゥトアンクアメン(ツタンカーメン)の黄金マスクの浮き彫りのなされた金色の円があり、その周りをぐるりと銀色の縁が巡らされ、かなり凝った造りです。

厚みも重みもあり、安い金額を表す硬貨とは思えないものです。

今回、エジプトから帰ってきたスタッフが、もうエジプトでは1ポンド硬貨を作らなくなったと言っていました。

然もありなん。

日本の1円硬貨も1000円札を造りより経費がかかるそうですが、硬貨を作るのは割が合わないのでしょう。

カナダ帰りの友人が、1セントがなくなり、端数が1,2セントの場合は切り捨て、3から7セントなら5セント、8,9セントなら10セントに繰り上げと、慣れるまでちょっと戸惑いそうな状態だったそうです(調べたら2013年からのようです)。

インフレが進んでいけば、最下位の通貨単位がなくなることはままあります。昔は日本にも「銭」が「円」の下にありましたが、今では株価や為替で聞くだけですよね。

そのうちカナダでは「セント」が廃され「ドル」だけになってしまうのでしょうか?

同じく、エジプトでは「ポンド(エジプト人的には「ギニー」)」の下に「ピアストル(エジプト人的には「エルシュ」または「サア」)」という通貨単位があるのですが、これはすでにかなり影が薄くなっています。

かつてマルコ・ポーロが紙幣を持ち帰ったとき、燃えたり破けるような紙幣など当てにならない、金貨や銀貨でなく紙で出来た紙幣など、本物かどうか分からない、というような反応をされたと言われています。

当時ヨーロッパでは紙幣は用いられていなかったようで、素材自体に価値がある金貨や銀貨でなければ信用できなかったとしてもしょうがないことなのかも知れませんね。

これから先、経費との釣り合いやインフレが進んでいけば、「硬貨」はゲームでしか見たことがない世代が生まれる日も来るかも知れませんね。

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ルクソールへ行ったら、気球に乗ろう!

ルクソールは古代エジプトの遺跡が数多くあり、なかなか見切ることの出来ませんね。

カルナク大神殿やルクソール神殿、王家の谷、王妃の谷、私人墓群、ラメセス3世葬祭殿、ハトシェプスト女王葬祭殿、ルクソール美術館にミイラ博物館、などなど、本当に一度に回ろうとしたらルクソールだけで1週間以上いなくてはならないでしょう。

そんなルクソールで最近とみに流行っているのが気球乗りです。

早朝、日が昇り出す前に気球に乗り込み、朝日を空中で見るのです。

風向きがよければ様々な遺跡を俯瞰することが出来ます。

普段は見上げていた遺跡を上から見ることで全体の構造やそれぞれの位置関係などを自分の目で見られる貴重な体験となります。

だんだんと明るくなる朝日に照らされて少しずつ全貌が見えてくる様子は神秘的で、筆舌しがたい感動を味わえます。

日が昇るにつれてかすかに聞こえてくるロバの哀愁に満ちた鳴き声や気球の炎の音だけが聞こえてくる、静かな、けれど熱のこもった時間を体験できます。

 

皆さんがルクソールを訪れる際には、かなりの早起きをしなくてはなりませんが、是非、是非、気球に乗ってみてください!

カメラやビデオの準備は言わずもがなですが、かなり寒いので厚着も忘れずに!

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エジプトの動きが悪くなるのは…

観光大国のエジプトですが、年に何度か観光客が放っておかれてしまう時期があります。

おそらく一番有名なのがラマダンとそれに続くイードの時期です。

これはムスリム人口が多い国であればどこでもそうなりますが。

また、予言者ムハンマドの誕生日も前後は役所仕事もラマダン同様滞り、いかんともしようがなくなります。

遺跡での撮影許可の申請などは、これらの時期を外して早め早めに出さないととんでもないことになります。

気をつけないと放置され忘れ去られ、こんな時期に出したそっちが悪い、という対応になります。

そして彼らにとってそれは正当で有り、全くもって当たり前な話、となります。

一昔前の日本も、年末から松の内までまともにお店も開いていませんでしたし、会社も銀行も動きませんでしたから、よく考えればそれほど非常識な話ではないのですが。

ちなみに、現在進行形でエジプトはラマダンでもムハンマドの誕生日でもないのにちょっとした麻痺状態になっていて、いろいろな仕事が滞っています。

原因は国民的スポーツ、サッカーのアフリカ・カップが開催されているからです。

エジプト・チームが試合をする日は、誰もがそわそわし、試合時間の間はほぼ仕事になっていません。

普段なら客引きをしているタクシー運転手たちや店員たちも仕事そっちのけでサッカーの試合に夢中になってしまうのです。

今年は決勝戦にまで勝ち上っているのでなおさらのようですが。

是非、優勝してもらいたいものです。

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節分と立春、暦の上では春になりましたね

まだまだ寒い日が続きますが、今年の東京の節分は快晴で、雲一つない清々しいほどの青空でしたね。

節分が済むと翌日が立春です。

今年の啓蟄は3月5日なので、ちょうど1ヶ月後ですね。

この一月の間にどんどん寒さが緩くなり日照時間が延びていき、虫たちも凍った地面から外へと顔をのぞかせるようになる、ということなのでしょう。

ちなみにアメリカなどでは啓蟄に似たものでgroundhog day (groundhog's day)と言う日があります。

映画の題名になったこともあるのでご存じの方もいるかも知れませんね。

この日に冬眠から目を覚まして外に出てきたgroundhog(ウッドチャック)が、自分の影を見てしまうと驚いて巣穴に戻り冬が明けるまでさらに6週間待たなければならないのですが、曇っていて自分の影を見ることなくそのまま外へ出たら冬が明けたとする、一種の占いのようなものになります。

全国的に行われ、テレビ中継もされる行事です。

これは2月2日に行います。

2月の始めは、どの文化でも冬が一旦終わる時期という認識があったのかも知れませんね。

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中国人の影響力がMAXな春節の影響力、エジプトでも

ここ数年でバブル期に突入した中国人たちの突然の海外買い物大旅行の影響が、世界中の経済を支えつつある感じですが、観光地でもそれは同じようです。

ギザのピラミッドにも沢山のバスが乗り付けて、大勢の中国人観光客が訪れています。

あの、行けども行けども抜けられないバス用駐車場のほとんどが埋まる勢いだそうです。

特に春節とその前後(1月22日〜2月1日ぐらい、今年は1月28日が春節、27日がイブ的な日のようです)は恒例の大移動を行っています。

ちなみにこの時期に海外旅行へ行く中国人の目的地ベスト10を見てみると2016年も2017年も日本が2位にいます。

そしてエジプトは圏外なのですが、それでも現地ではちょっとしたニュースになるほど大勢の中国人がエジプト観光旅行を楽しんでいるようです。

この調子ではスークを歩いていたら、エジプト人の店員たちから「コニチワー」と声をかけられるよりも「ニーハオ」と声をかけられるようになるかも知れませんね。

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私の常識、ここでの非常識

物理学者として有名なアルバート・アインシュタインの言葉に、こんなものがあります。

Common sense is nothing more than a deposit of prejudices laid down in the mind before age eighteen.

簡単に訳すと

「常識とは18歳までの間にその人の中に蓄積された先入観の集まりでしかない」

 

という感じです。

私は幸いにして(?)自分の常識が非常識になる場所があることを18歳までに体験してきたのでまだ柔軟な方だと思うのですが、そういった体験のない人にとっては初めて直面したときの衝撃や困惑は計り知れないものなのでしょう。

古代エジプト人にとっては川はナイル川のみで、「ナイル」も古代エジプト語で「ナ=the」+「イル=river=川」という意味です。

そんなエジプト人たちが遠征した先で見た衝撃的な光景がユーフラテス川でした。

エジプト人たちにとって川は必ず南から北へ流れるものだったのに、ユーフラテス川は逆に北から南へ流れていたのです。そこで、ユーフラテス川は古代エジプト語でペケル・ウル「偉大なる方向転換するもの」と呼ばれてるのもこのためでしょう。

もし、アインシュタインが言うように、18歳までに蓄積された先入観がその人の常識となり、自分の常識しか認められない人ばかりになってしまったら、怖いですね。

インターネットが発達して、私が18歳の時より世界が狭くなった気がしていたのですが、このところの世界の動きを見ているとなんとも微妙な気持ちになります。

自分の常識以外を全て切り捨て非常識と排除する人が思ったよりも多いことに落胆すると共に、そんな人の一人が大国の大統領をしていること、その影響で善良な人たちまでテロリストであるかのように扱われ、暴力を振るう大義名分とされる世界的な流れを生み出しつつあることに恐れを感じます。

ちなみにアメリカのFBIのテロリスト集団リストには日本の発祥の団体(オウムと赤十字軍)が載ってます。

これを理由に日本人だというだけでテロリストと呼ばれる日が私たちの未来にもあるかもしれません。

これはムスリムだけの問題じゃないんです。

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トランプってカードだけではなく切り札にもでっち上げにもなるのです

近頃、人名のトランプを耳にしないで一日を終えることが難しいですね。

あれだけの失言を繰り返しても大統領を辞任するに至らないとこに、実は賛成者が少なからずいるからだと思うと、明らかに有色人種である私は、しばらくアメリカに行きたくはない気がします。

ちなみに英語でtrumpと言うと「切り札」という意味があります。

同時にtrump upは「でっち上げる」という意味になります。

昔のディズニーのアニメ映画に『わんわん物語』というのがあったのですが、英語の原題は"the Lady and the Trump"で、大事に育てられてきたレディと野良のトランプが主人公です。

この映画の影響か、私は今までなんとなくTrumpは「野郎」とか「野良」とか「不良」的な意味合いだと思っていたのですが、どうやら「切り札」の意味で使われていたようです。

調子がいい、なかなかのハンサムなイヌでした。

trumpの派生語でtrumperyというのがあるのですが、これだと「見かけ倒しのもの、戯言、ナンセンス」という意味になります。

さて、トランプ米大統領は「切り札」になるのか「でっち上げ」になるのか、どうでしょうね?

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古代エジプトの主副菜、魚

カバのファイアンス製の置物の身体や壁画に魚が沢山描かれています。

特に壁画ではその写実性と特徴を捉えた細かさで、実に沢山の種類を描き分けていたことがよく分かります。

中でも、ティラピアは日本でもよくイズミダイやチカダイという名で表記されることもあり、スーパーなどで見かけるようになりました。

癖のない白身の魚で、別名に鯛が含まれている通り、味もよいです。

鱈だと思っていたらティラピアだった、なんてよくあるようです。

一般の古代エジプト人も煮たり干したりして、本当によく魚を食べていたようです。

干物などに加工している姿も壁画に残っています。

次にポピュラーだったのがラテスですが、これはナイル・パーチやカワスズキと呼ばれ、白身魚のフライとして日本市場でも多く流通しています。

ボラもよく食べられたようで、現在のエジプトではボラの卵で作ったカラスミもよく食べられています(お土産によく買ってきてもらいます。美味しい上に安いんです)。

貴族や王族になるとガチョウなどの鳥肉や豚肉、牛肉や羊肉なども口にしていたようですが、なんと言っても一般人は魚が主副菜だったようです。

よほどナイル川が豊かだったのでしょう、魚は大した技術がなくても捕ることが出来る、とされていました。

モーゼがイスラエルの民を連れてエジプトを離れて沙漠を彷徨っていた頃、思ったよりも過酷な旅程に不満を募らせた人々の中には、エジプトにいれば魚が簡単にいつでも捕まえられてこんなひもじい思いをしたことはなかった、と、愚痴る者も多く出たと聖書に残っています。

 

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カバと言えば、綺麗な青いウィリアム君のモデル

カバは豊かなナイル川の実りの象徴でもあり、小さなカバのファイアンス製の置物が作られました。

立っているものや寝転んでいるものなど、姿勢や大きさは様々ですが、共通しているのは青いガラスの釉薬がかけられていること、身体中にロータスの花や魚などの模様が描かれていることです。

手のひらに載せられるぐらいの小ささで、どこかユーモラスで可愛らしい造りになっています。

子供のオモチャや魔除けとしておかれていたのかも知れませんね。

 

カイロ博物館にも何点か所蔵されていますが、メトロポリタン美術館のマスコット・キャラクターのウィリアム君がもしかしたら一番有名かも知れませんね。

 

写真は弊社のマスコットのネフェルちゃんです。

R.Hanning著のヒエログリフ/ドイツ語の辞書を読んでいるところです。なかなか勤勉な子なんです。

 

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実はワニより怖いカバ

古代エジプトの壁画では神々が長槍でカバを刺している場面がよく描かれています。

古代エジプト人にとって荒ぶるものはワニよりもカバでした。

私のカバのイメージは動物園でゆったりのんびりしている姿で、何故そんなにカバを荒ぶる動物とみなすのか、正直理解できませんでした。

あるドキュメンタリーを見るまでは。

ナイル川の生き物を扱ったドキュメンタリーでは、うっかりカバの群れの近くに行ってしまったワニが、それはそれは恐ろしいほどの機敏さと猛々しさで攻撃され、這々の体で逃げ出していました。

ワニを噛んで振り回す、カバ!

カバの群れの中でもみくちゃにされ噛みまくられ、必死に逃げ出すワニの姿はむしろ哀愁を漂わせていました。

野生のカバは、穏やかでものんびりでもない生き物でした。

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古代エジプトの青は空の青、でも夜空のほうです

古今東西、神々は天におわします存在でした。

天は頭上に広がる場所で、そこには人智の及ばぬ素晴らしい存在の世界だと感じたのでしょう。

古代エジプト人たちは八百万の神々の世界でしたから様々な神々がいました。

それでも最も高貴な神々は天にいると考えました。

それ故か、古代エジプト人は青を大変好んで壁画などに用いました。

残念ながら綺麗な青を発色させるのはラピスラズリの粉末で作った絵の具でした。

当然、古代でも安いものではありません。

だからといってあきらめることは出来なかった古代エジプトの職人たちは、とうとう、そっくりな色を作り出したのです。

エジプシャン・ブルーと呼ばれるこの色はカルシウム銅ケイ酸塩という人工物を砕いて作ります。砂に含まれるシリカと石灰と銅を溶かして作ったガラスのような塊をさらに砕くのですから執念を感じます。

古代エジプト人の追い求めた理想の青は紺に近く、昼の空ではなく夜空を写し取ろうとしていたことが分かります。

エジプトの昼間の抜けるような混じりけのないシアンのような空の色も大好きですが、満天の星が輝く濃紺の夜空も素敵です。

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よく考えたらおかしな話だと思うのですが、どうでしょう?

仕事柄、古代エジプト人が残したヒエログリフの文章を英訳したものを頻繁に和訳するのですが、古い報告書や書物になればなるほど、古めかしい古語を使って訳してあります。

いわゆる「汝」や「そなた」的なところから日本語にすれば「いとおかし」的な古文としか言いようのない英訳文になっているのです。

英語を日本語に直すだけでなく、英語の古文を現代の英語の文語に直してから日本語に直すのは本当に骨が折れます。厳密にはきちんとした現代文に直しはしないのですが、それでも手間が普通の英文よりかかってしまいます。

古代の人が書いた文章だからと自分たちの古文で用いる言葉で書く必要ってあるのでしょうか?

 

当時の人々にとって墓や神殿に残した文章は確かにかしこまった文語体であったであろうとは思いますが、古語調であったと考えるのは、よく考えたらおかしな話だと思うのです。

さすがに砕けた口語体で書かれたものは日記や詩などぐらいだと思うのですが、だからといって当時の人々にとっては現代語だったものをわざと古語体で訳すのはやっぱりやり過ぎだと思うのです。

 

最近の研究書などでは、新しく見つかった文書を英訳するときにわざとらしい古語体を用いたものはほとんどありません。

きっと海外の研究者たちも私と同意見に違いない!と、勝手に思っています。

皆さんはどう思いますか?

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古代エジプトにおける重要な星、シリウス

古代エジプトで新年のしるしとなるシリウスは満天の星の中でもその輝きですぐに目にとまる星です。

西洋世界ではシリウスの輝きが鋭いことから不吉な兆しとされました。

中国ではその輝きが狼の眼光のように鋭いとして「天狼星」と呼びました。

古代エジプト人たちもその光が鋭いと考えたのでしょう、セペド「鋭い」やセペド・ヘル「注意深い、機敏な」という言葉とシリウスを表すセペデトは同じ2等辺三角形の文字を用いて書かれています。

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日本でも見られる古代エジプトの新年のしるし、ヘリアカルライジング

2日のブログにも書きましたが、古代エジプトの新年は洪水の始まりをしめすシリウスが太陽とほぼ同時に天に昇るヘリアカルライジングが観測される日になります。

この現象はエジプトだけでなく世界中で見ることが出来ます。

ルクソールやアスワンでは現在の西暦で7月の17日か18日、那覇では7月の19日、東京は7月の26日の夜明け、日の出の約30分前の薄明の中で輝くのを見ることが出来ます。

この現象がヘリアカルライジングです。

新年に初日の出にのぞむ現代の日本人のように、当時の古代エジプト人たちもこの現象を見ることに、なにか神聖な気持ちになっていたのかもしれませんね。

半年後ですが、観測にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

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