カバのファイアンス製の置物の身体や壁画に魚が沢山描かれています。
特に壁画ではその写実性と特徴を捉えた細かさで、実に沢山の種類を描き分けていたことがよく分かります。
中でも、ティラピアは日本でもよくイズミダイやチカダイという名で表記されることもあり、スーパーなどで見かけるようになりました。
癖のない白身の魚で、別名に鯛が含まれている通り、味もよいです。
鱈だと思っていたらティラピアだった、なんてよくあるようです。
一般の古代エジプト人も煮たり干したりして、本当によく魚を食べていたようです。
干物などに加工している姿も壁画に残っています。
次にポピュラーだったのがラテスですが、これはナイル・パーチやカワスズキと呼ばれ、白身魚のフライとして日本市場でも多く流通しています。
ボラもよく食べられたようで、現在のエジプトではボラの卵で作ったカラスミもよく食べられています(お土産によく買ってきてもらいます。美味しい上に安いんです)。
貴族や王族になるとガチョウなどの鳥肉や豚肉、牛肉や羊肉なども口にしていたようですが、なんと言っても一般人は魚が主副菜だったようです。
よほどナイル川が豊かだったのでしょう、魚は大した技術がなくても捕ることが出来る、とされていました。
モーゼがイスラエルの民を連れてエジプトを離れて沙漠を彷徨っていた頃、思ったよりも過酷な旅程に不満を募らせた人々の中には、エジプトにいれば魚が簡単にいつでも捕まえられてこんなひもじい思いをしたことはなかった、と、愚痴る者も多く出たと聖書に残っています。
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