古代エジプトの青は空の青、でも夜空のほうです

古今東西、神々は天におわします存在でした。

天は頭上に広がる場所で、そこには人智の及ばぬ素晴らしい存在の世界だと感じたのでしょう。

古代エジプト人たちは八百万の神々の世界でしたから様々な神々がいました。

それでも最も高貴な神々は天にいると考えました。

それ故か、古代エジプト人は青を大変好んで壁画などに用いました。

残念ながら綺麗な青を発色させるのはラピスラズリの粉末で作った絵の具でした。

当然、古代でも安いものではありません。

だからといってあきらめることは出来なかった古代エジプトの職人たちは、とうとう、そっくりな色を作り出したのです。

エジプシャン・ブルーと呼ばれるこの色はカルシウム銅ケイ酸塩という人工物を砕いて作ります。砂に含まれるシリカと石灰と銅を溶かして作ったガラスのような塊をさらに砕くのですから執念を感じます。

古代エジプト人の追い求めた理想の青は紺に近く、昼の空ではなく夜空を写し取ろうとしていたことが分かります。

エジプトの昼間の抜けるような混じりけのないシアンのような空の色も大好きですが、満天の星が輝く濃紺の夜空も素敵です。

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