イスラム教の聖典、クルアーンはアラビア語でのみ書かれます。
キリスト教の聖書は世界各国で現地の言葉に翻訳されていますが、クルアーンは違います。
アラビア語以外で書かれたものはクルアーンではない、とされています。
正しく、ムハンマドの言葉を書き写せるのは彼の操ることの出来たアラビア語でしかない、と、考えたからです。
たとえば、ある人が、複数の言語を同じように操ることが出来ても、全く同じニュアンスで同じことをそれぞれの言葉で表現することは出来ません。
それと同じように、どうしても他言語に翻訳すれば、どこかで意味の齟齬が起こり得るのです。
ムハンマドの弟子たちが恐れたのはそこでした。
それ故、クルアーンを印刷する出版社では誤字脱字など言語道断、もし1文字でも間違えがあればあっという間につぶれてしまうほどです。
現在ではクルアーンをアラビア語以外に訳したものが存在しますが、それはあくまでも意味を伝えるための副読本のような扱いであり、クルアーンとは呼ばれないのです。
正確に、正確に、伝えることに腐心していることがよく分かります。
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