エジプトを題材にした映画のなかでも秀逸な作品『アレクサンドリア』

近頃、また映画界ではエジプト・ブームが戻ってきたようですね。

ただ、残念ながら「古代エジプト」もどきを舞台にしたアクション物が多いようですが。

もちろん、アクション物でもナンセンス物でも突き抜けて面白い物もあります(『ハムナプトラ』の1と2は大好きです♪)。

そんな私の一押しは、2009年にスペインで作成された『アレクサンドリア』です。

奇しくも主人公は『ハムナプトラ』のヒロイン役をなさっていたレイチェル・ワイズ。

ただし、アクションはほぼなく、真面目な内容だったからでしょうか、日本ではあまり話題になりませんでした。

でも私の一押しなんです!

舞台は地中海世界中の叡智が集まって活気のあるプトレマイオス時代(紀元後4世紀)のアレクサンドリア。

真理や学問の中にある理論や法則の中に見いだされる美を追いかけることに夢中な哲学者であり天文学者であるヒュパティアが、独自に惑星の軌道が楕円形であることを突き止めていく過程の面白さ、その彼女を愛し、守ろうとする男たち(ただし、彼女は学問以外に興味を示さないので全員一方通行)との人間模様、台頭する(当時はまだ新興宗教扱いの)キリスト教がユダヤ教と古代からの宗教による微妙なバランスを突き崩していくさまなど、本当によく描かれています。女性ながら結婚に見向きもせず学問に打ち込む彼女を優しく見守り研究者への道へ導く彼女の父の愛も描かれています。

初期キリスト教の信者たちの描き方が粗野で無知な集団なのも、特筆すべきでしょう。

俳優陣の演技力も素晴らしく、特に彼女を慕う男性たちのそれぞれの想いの遂げかたが切なくって、見ていると胸がキュウとしてしまいます。

それになんと言っても彼女が惑星の軌道を突き止める様は静かな興奮と感動で胸がいっぱいになります。

日本でもDVDが出ていますので、是非、一度ご覧ください!

公式サイトが閉鎖されたのか上手くアクセスできなかったので、取りあえずYoutubeにあがっていた予告編をご覧ください。

https://www.youtube.com/watch?v=FOrmvCuBpKQ

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